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実質賃金23カ月連続マイナスの影響は?ここから回復はあるのか!

2024年4月5日、厚生労働省が発表した、毎月勤労統計調査令和6年2月分によると、実質賃金は、23カ月連続マイナスになったことがわかりました。

この長さは、この統計が始まった1991年以来過去最長タイの長さになりました。この苦しい状態はいつまで続くのでしょうか?考えてみたいと思います。

23カ月連続マイナスの実質賃金

 実質賃金の減少は、労働者が受け取る賃金の価値が時間の経過とともに下がっていくことを意味します。

 これは、賃金の名目上の上昇が物価の上昇に追いつかず、実際に購入できる商品やサービスの量が減少している状態を反映しています。

実質賃金の減少とは

 実質賃金の減少とは、労働者の収入が名目上では増加していても、実際に購入できる財やサービスの量が減ることを指します。物価の上昇率が賃金の上昇率を上回ると、生活水準を維持するための購買力が低下し、実質的に受け取る賃金が減少することになります。

 この状況は、昨年からの物価の上昇が大きな要因とされていますが、統計によると、近年では物価上昇のペースが落ち着きつつあるものの、一人当たりの名目賃金・実質賃金の推移を見ると、賃金の増加が物価上昇に追いついていないことが明らかになっています。

 加えて、大企業を中心に見られた賃上げも、全体的な実質賃金の改善にはまだ十分ではありませんでした。ただし、厚労省は、24年春闘での高水準の賃上げが今後の統計に反映される可能性があるとしており、実質賃金の動向には引き続き注目が集まっています。

2月の実質賃金1.3%減

具体的な数字とその意味

 厚生労働省が発表した2月の毎月勤労統計調査によると、物価の変動を考慮した実質賃金は前年同月比で1.3%減少しました。この結果、実質賃金が減少したのは23カ月連続となり、厚生労働省の毎月勤労統計の始まった1991年以降での過去最長タイ記録(1回目はリーマン・ショックの後の2007年9月からの23か月で)を更新しました。

 この数字は、労働者の手取りの購買力が前年に比べて低下していることを意味し、家計にとりましては厳しい状況が続いています。

前年同月比の減少率について

 前年同月比1.3%の減少は、物価上昇の影響を受けて実際に労働者が受け取る賃金の価値が減少したことを示します。この減少は、2年近くにわたる家計の悪化を示す深刻な指標となります。

 ただし、23年通年の実質賃金減少幅が2.5%減であったことと比較すると、減少幅はやや縮小していることが伺えます。厚生労働省は、この状況について「物価上昇が落ち着いてきた」と分析していますが、今後大企業を中心とした賃上げの動きが今後の統計にどのように反映されるかが注目されます。

物価変動と実質賃金

物価変動の影響

 物価変動は、家計の収入と支出に直接的な影響を及ぼします。具体的には、物価が上昇すると、同じ量の商品やサービスを購入するためにより多くのお金が必要となり、消費者の購買力が低下します。

 これは実質賃金にも影響を与え、物価の上昇率が賃金の上昇率を上回ると、実質的には賃金が減少したことになります。つまり、物価の変動は、一人当たり名目賃金から物価上昇分を差し引いた実質賃金の増減に直結するのです。

物価高騰と実質賃金の関係

 近年、物価高騰が進む中で、実質賃金の低下が続いています。厚生労働省の発表によると、物価変動を考慮した実質賃金は23カ月連続でマイナスとなっており、家計にとっては厳しい状況が続いています。

 実際に労働者が受取る賃金は、昨年中も前の年より増えて続けているのですが、それを上回る物価上昇があったわけです。

 賃金が名目上上昇していても、物価の上昇がそれを上回ることにより、実際には購買力が低下しているのです。物価の上昇が賃金上昇を圧迫する形で進むと、消費者の支出能力が制限され、結果的に経済活動全体にも悪影響を及ぼします。今後、物価高騰が続く中で、実質賃金の動向は経済状態を測るうえで一つの重要な指標となるでしょう。

今後の展望

 これまでの実質賃金の動向と、それに伴う影響を受ける業界や就労者への影響を見据えた今後の展望は複数の要素に左右されます。特に、物価の変動と大企業における賃上げの動向が重要なファクターとなるでしょう。

実質賃金の動向

 厚生労働省の統計によると、実質賃金は23カ月連続マイナスという過去最長の減少期間を記録しています。

 しかし、最近の報告では、物価上昇が落ち着きつつあることが指摘されており、これが給料と物価のバランスに微妙な変化をもたらすかもしれません。

 また、24年春闘での大企業を中心とした賃上げが、今後の実質賃金にプラスの影響を与えることが期待されます。したがって、実質賃金の23カ月連続マイナスという流れに歯止めがかかる可能性があります。

春闘における賃上げが、どの程度好影響を与えるかがカギ

 今年の春闘では、大手企業においては満額回答が数多くあり、定期昇給分とベースアップ相当分をあわせた賃上げ額は平均で月額1万6037円、率にして5.24%になっています。

 中小企業においても4.69%となっており、近年にない大きな上昇率になっています。

 2月の統計では当然この賃上げの影響は含まれていません。

 値上げはまだ続いていますが、多少落ち着きつつあることから考えて、実質賃金がプラスに転じる可能性は、結構あると個人的には見ています。

 4月の統計が出るのが6月になると考えられるので、それ以降の調査結果の発表がどうなっていくかが楽しみであるとともに、少しでもプラスに転じればよいかなと思っています。

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