環境省の2021年度の調査で、PFASの一種のPFOSやPFOAが全国13都府県の河川や地下水など81地点で国の暫定目標値を超えていたことが分かっていて、住民の健康への影響などが懸念されています。
今まで、国では科学的な知見が十分ではなく、健康への明確な影響は不明としてきました。
この辺りは、「PFOS、PFOA に関するQ&A集」に詳細に記載されています。
しかしながら、「PFAS、各地で目標値超え!原因は?自治体の対応は?」にも書いた通り、全国各地でさらに暫定目標値を超える例が続出しています。
更には、上の記事の後にも、
で、目標値を超える事例がニュースになりました。
このため、環境省は、夏を目途に具体的な除去技術をまとめた指針を作る方向であるとのニュースが入ってきました。
今回は、このニュースについて取り上げます。
除去技術の実験について
Yahoo newsによれば、具体的な除去技術をまとめた指針に作るにあたって、国内では企業や大学などで除去技術の開発が進んでいますが、現場での実証機会が少なく実用化が遅れているということです。
水源を持つ各自治体の協力のもと、公募型の事業で研究者の参加を募るやり方で実証実験を行うとあります。
他のニュースサイトでは、「環境省は市町村と連携し、企業や大学に実験場所を提供して除去技術の開発を後押しするオープンイノベーションを本格化させる」という表現が使われています。
これは、既に汚染がわかっており、現在実際の除去が行われている、もしくはこれから行われる地方自治体において、企業や大学に実験を提供し、実際の現場で実験してもらうという形になります。
そして実際にどの様な除去技術や条件が有効なのかを割り出していくことになります。
既に地方自治体として、実験や運用を行っている場所として沖縄県北谷町や大阪や静岡の例が挙げられています。
具体的な除去技術をまとめた指針が、夏頃できるということから逆算して、既に実験の準備や実際の計測などははいじまっている可能性があります。
残念ながら、どこの市町村で実験が行われる予定なのかは確認できませんでした。
ニュースで具体的に書かれていた除去方法は、活性炭を使用するものです。
過去に紹介してきたような家庭用のカートリッジ型浄水器と違って、大量の水を処理するための技術は別に必要になると考えます。
(家庭用浄水器でもPFOS、PFOAの除去は確認できています。各社浄水器のPFAS除去能力は?まとめてみた!をご覧ください。)
最新の研究事例・海外の事例など、除去技術を具体的に記す
指針を作る際にもう一つの要素として、除去技術に対する最新の研究事例・海外の事例を参考にするというのがあります。
こちらは、文献などを参考に実際にどのような技術があるのかを探すことになります。
PFASの除去技術をまとめた指針は誰がきめるの?
実際に行う作業は、上に書いた二つなのですが、それをとりまとめて具体的に「PFASの除去技術をまとめた指針」というのは、誰が決めるのでしょうか?
上で紹介したニュースでは、今後の専門家会議でまとめるとあります。
今まで環境省では、2023年に「PFASに対する総合戦略検討専門家会議」というものが開かれていましたが、2023年の7月でいったん終了しています。
実際には、新たに似たような専門家会議が立ち上がるのかもしれません。そこで議論され出来上がった指針は、独立した文書として発表されるのか、それとも今まであった「PFOS 及び PFOA に関する対応の手引き」を改訂してそこにかかれるのかはまだわからない状況です。
いずれにしろ、夏ごろには指針が出るでしょうから、それを待ちましょう。
追加情報を入手次第この記事は書き直されます。
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