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PFASの一種、PFHxSは浄水器で除去できるのか?考えてみた!

ちょっと前ですが、PFASの一種であるPFHxS(正式には、PFHxS若しくはその異性体又はこれらの塩)が、2024年2月から第一種特定化学物質に指定されるという発表がなされました。。国内では、製造使用が禁止になります。

また、2024年6月から実質的に輸入も禁止されます。

このPFHxSは、環境省の令和4年度の調査では、神奈川県の地下水や沖縄県の湧き水などで既に検出されています。

今後、PFOSやPFOA同様、水質への規制も行われていくことになるでしょう。

では、このPFASの一種であるPFHxSは、今まで見てきたように浄水器で除去できる物質なのでしょうか?

今回は、その化学物質の構造と性質から考えてみましたので参考にしてください。

PFHxSは、浄水器で除去できる可能性が非常に高い

過去記事(各社浄水器のPFAS除去能力は?まとめてみた!)で述べたように、PFASのうちで、現在規制がかかっているPFOS、PFOAについては、各社の浄水器で除去されることが示されています。

では、今回規制されるPFHxSはどうでしょうか?

結論から言うと個人的にはPFHxSも除去できる可能性は、非常に高いと思っています。

理由は、以下の通りです。

PFHxSは、PFOS,PFOAと化学構造が似ている

PFHxSは、PFASの仲間の中でも、PFOS,PFOAと化学構造が似ています。以下に各々の構造式を示します。

PFHxSの構造式
PFOSの構造式
PFOAの構造式

これらの物質の構造式を見ると、PFHxSは、PFOSとPFOAと同様、炭素原子に全てF(フッ素)が結合しています。

PFOAだけは、一番左の炭素にはOとOHが結合していますが、それ以外は炭素にはFが結合しているのです。

そのFの数は、PFHxSで13個、PFOSで17個、PFOAで15個です。

これらの物質は、炭素のすべてにFが結合した鎖のような部分と、端っこにはO(酸素)やOH(酸素と水素)がついた部分がある形をしています。

PFOSとPFOAが浄水器で除去できるのですから、似た構造をしているPFHxSも除去できると考えるのが自然です。

もちろん、全く同じではありませんから、除去できる能力に多少の差はあるかもしれませんが有効な除去能力を有しているでしょう。

これらを除去する機能は、浄水器に含まれる主に活性炭によるものです。

PFHxSの除去は、ほぼ浄水器の活性炭の性能で決まる

以前に書いたPFAS汚染!浄水器で除去できるのか?メーカーの試験結果も!を見ていただくと分かりますが、水の中からPFASを除去する能力は、

逆浸透膜(RO)>活性炭=イオン交換樹脂>凝集沈殿ろ過>オゾン処理、消毒処理

と考えられます。

この中で逆浸透膜(RO)は、一般的な浄水器では使用されません。値段も高く使用にエネルギーを必要とするからです。

凝集沈殿ろ過やオゾン処理も一般的な浄水器では使用されないので、PFAS(PFHxSも)の除去は、活性炭とイオン交換樹脂になるわけですが、どの浄水器でも使用されるのは活性炭です。

なお、浄水器によく使われている中空糸は、このような分子を排除する能力はありません。

まとめ

新たに規制に加わるPFAS、PFHxSが今使っている浄水器で除去可能か考察してみました。

結論は、浄水器で除去できる可能性が非常に高いというものです。

現状PFASに対して浄水器を使用している方は、特別なことをする必要はないでしょう。

一方、自分の飲料水のPFASが気になる方(特に地下水を利用している方)は、浄水器の利用を考えることは対策の一つになります。

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