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PFAS汚染源の一つとされる泡消火剤って何?基地の近くでの汚染との関係は?

最近、自治体によるPFASの測定が行われ、各地で国の水質目標値を超える値が検出されています(PFAS、各地で目標値超え!原因は?自治体の対応は?)。

この記事を書いている2024年2月下旬では、広島県東広島市やその少し前に岐阜・各務原市のニュースが流れていました。

これら二つの地点に共通することは、自衛隊や米軍の基地があるということです。沖縄や多摩地区でのPFAS汚染も近くに米軍基地があります。

PFAS(特にPFOS、PFOA)を含有しているものとして泡消火剤が挙げられおり、これらが基地周辺の汚染に関わっていると言われています。

今回は、PFAS汚染源の一つである泡消火剤と基地近くでの汚染との関係を考えてみたいと思います。

PFASが含まれる泡消火剤ってどんなもの?

PFASの用途に泡消火剤があります。これはどういったものなのでしょうか?

通常の火災と違って、油火災の場合その比重が水より軽いため、水をかけてもその上層に移動して燃え続けてしまいます。

このため、石油コンビナート、空港 (駐機場)、駐車場・自動車整備場と言った油火災が起きる可能性のある場所に、泡消火設備が設けられます。

また自衛隊や米軍の基地などでも燃料を使用するため、泡消火設備及び泡消火剤が使用されています。

泡消火は、泡を生成させて比重を軽くし油の上を覆うことによって空気を遮断して消化するものです。

そしてこの泡を発生させる薬剤が泡消火剤です。泡消火剤は、原液で保管され、消火の際は水と混ぜて泡を発生させて使用されます。

いくつかの種類があるのですが、この泡消火剤の一部にPFAS(以前は主にPFOS)が使用されていました。

既に、PFOSに関して言えば、既に法律も制定されており既に環境省から「PFOSを含有する消火器・泡消火薬剤等の取扱い及び処理について」というページにまとめられています。

日本の泡消火剤の製造メーカーからも既にPFOSを含む泡消火剤は製造していないとHP上などで宣言されています。

ですが、フッ素系の化合物が含まれている場合、PFOSが含まれないとしてもPFASの範疇のものが使用されている可能性は高いです。

また、以前購入し現在、保管されているものや設備に使用されているものについては、代替は推奨にすぎません。

また、米軍の基地でも使用されていると思われますが、その部分への対応は全くなされていなません。

ニュースによる最近のPFAS水質基準の目標値越えの場所と周辺にある基地

このPFAS汚染に関する因果関係は、国や組織はまだ立証されていないという立場をとっている場合が多いですが、実際にはこのような場所で使用される泡消火剤にPFAS(特にPFOS、PFOAなど)が含まれています。

では、水質の目標値を超えた場所と周辺にある基地を見てみましょう。

岐阜県各務原市 水道水

岐阜県各務原市の三井水源地(みいすいげんち)から供給される水道水に国の水質目標値を超えるPFAS(PFOSおよびPFOA)含まれていることが2023年7月28日に記者会見で示されました。

各務原市には、航空自衛隊の岐阜基地があります。

汚染が見つかった三井水源地(みいすいげんち)は、基地のすぐ西側です。

各務原市 水道水における有機フッ素化合物(PFOS および PFOA)関連ページまとめのページ

東広島市 瀬野川水系

東広島市の瀬野川水系の川や水路において、国の水質目標値を超えるPFAS(PFOSおよびPFOA)含まれていることが2023年11月及びそれに引き続く測定で判明しました。

東広島市 瀬野川周辺には、米軍の弾薬庫施設があります。この弾薬庫は広く地図上で灰色の領域が全て米軍施設になります。

東広島市 有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)に関する調査結果及び対応についてのページ

以前から確認されているPFAS汚染が見られた場所と米軍や自衛隊施設との関係

ここからは、以前から確認されているPFAS汚染とその周辺に基地がある場合を見ておきましょう。

東京多摩地区

東京の多摩地区では、以前より井戸水のPFAS汚染が確認されています。井戸水の採取は立川・国分寺・国立・小平・調布・府中・西東京の7市ではすでに止められています。

この近くには、米軍の横田基地があります。

横須賀

米軍の横須賀基地の排水から、高濃度のPFASが2022年6月に検出されています。

沖縄県嘉手納基地

沖縄県の嘉手納基地周辺ではかなり以前から高濃度のPFASが検出されています(関連ニュース)。

他の基地でも汚染が見つかっている

上に書いた以外でも、三沢基地、厚木基地、普天間飛行場などでPFASが検出されています。

PFAS汚染と基地の関係

このように見てくると、基地においてはジェット燃料や車のガソリン等、火災が発生した場合、油火災になる可能性は非常に大きく、当然泡消火設備及び泡消火剤が使用されていると考えられます。

泡消火剤の中にはPFASが含まれているものがあります。しかも消火剤は火を消すために使用されるために開放系つまり空気中や地面に単純に言うとぶちまけられます。

基地外に流出する可能性は、よほど適切な対策を取らない限り大いにあります。しかも、PFAS、特にその中でもPFOSやPFOAを使用している用途でこれほど高度になる可能性があるものは、他にほとんどありません(あったら教えてください)。

従ってあくまで個人的見解としてですが、基地周辺のPFAS汚染は基地からの泡消火剤によるものと確信しています。

この記事は、更なる追加を予定しています。

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