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PFASの健康影響評価の案が決まる!数値はいくつなの?

最近、自治体によるPFASの測定が行われ、各地で国の水質目標値を超える値が検出されていることが問題になっています。

当ブログでも、

などで記事化しています。

ですが、実際に心配なのはどのくらい体内に摂取してしまったら問題になるのか?ということだと思います。

今回、ニュースでこの点に関する記事がありましたので、考察してみたいと思います。

健康影響評価の案はどこで決めたの

上に記載したNHKの記事には、「広島 東広島 水路で「PFAS」国の暫定目標値の80倍の濃度検出」という記事の中に記載されていて、

食品安全委員会は作業部会を設けて、「PFAS」が飲料水や食品などとして体内に入った場合の健康への影響評価を進めていて、26日に評価書の案を取りまとめました。

とあります。

実際には、この評価書の案を作ったのがどこのことなのかよくわからない書き方がしてありますが、実際には、

食品安全委員会の第7回有機フッ素化合物(PFAS)ワーキンググループという会議体になります。

この中ので

(案)評価書 有機フッ素化合物(PFAS)という文書が提出されています。

この、有機フッ素化合物(PFAS)ワーキンググループはどういう人達で構成されているかというと、専門委員名簿というのがあり、大学や国の研究機関の先生たち、つまり専門家と言われる人々で構成されています。

食品健康影響評価の案に書かれた数値は?

では、この評価書には、PFASを1日に摂取してよい数値としてどんな値が書いてあるのでしょう。

上に記載したNHKの記事には、以下のように書いてあります。

それによりますと、国内外の研究で一部のがんとの関連が報告されているものの、証拠は限定的だとした上で、動物実験の結果などから、PFOSとPFOAについて、毎日摂取しても問題ない量を、いずれも体重1キログラムあたり20ナノグラムとする指標を示しました。

実際の評価書は、286ページもある膨大な文書なのですが、要約が最初に書いてあります。

それによりますと、以下のように書かれています。

食品健康影響の指標値については、現時点の科学的知見に基づくと、
TDI としてPFOSは20ng/kg体重/日、PFOA は20ng/kg体重/日と設定することが妥当と判断した 。 PFHxSについては、評価を行う十分な知見は得られていないことから、現時点では指標値の算出は困難であると判断した。

(案)評価書 有機フッ素化合物(PFAS)より引用

ですので、数値で書かれている内容は同じなのですが、PFHxSでは指標値の算出が困難と書かれています。また、数値の指標が出ているのは、PFAS全体ではなく、PFOSとPFOAという個々の物質であることも注意点です。

ちなみに文章中のTDIは、Tolerable Daily Intakeの略で、日本語だと耐容一日摂取量というものです。

国の水質目標値と今回の数値の比較について

今回の数値と今まで河川や地下水で検査してきた際の国の水質目標値はどう違ってどう解釈すればいいんだ、もしくはどっちが厳しい値なんだと思う方もいるかもしれません。

PFOSとPFOAに関する国の水質目標値食品健康影響の指標値は、単位が違うので比較のしようがないというのが回答になります。

とはいえ、それではあんまりなので、考えてみましょう。

まず、国の水質目標値ですが、本来は水道水の暫定目標値なのですが、PFOSとPFOAの合計が50 ng/Lという濃度値になっています。

一方、食品健康影響の指標値は、PFOSもPFOAも20ng/kg体重/日という体重に依存した値になっています。

体重50kgの人を例に考えてみる

上の数値がどの程度の値なのか、体重50kgの人を例に考えてみましょう。話を単純化するためにすべての物質がPFOSだった場合を考えます。

体重50kgの人が許容できるPFOSの摂取量は、以下のようになります。

20ng/kg体重/日×50kg体重=1000ng/日

一方この人が、水質目標値ぎりぎりの50ng/Lの濃度の水を1日で飲める量を計算すると以下のようになります。

1000ng/日÷50ng/L=20L/日

まあ、毎日1日20Lの水を飲める人はいないですね。

ところが、「広島 東広島 水路で「PFAS」国の暫定目標値の80倍の濃度検出」というニュースの中で出てきた4000ng/Lのような水を間違って飲んでしまった場合、その許容量は

1000ng/日÷4000ng/L=0.25L/日

つまり、1日250mL飲むと許容量を超えてしまうことになります。

実際には水路の水を恒常的に飲む人はいないので大丈夫です。

ただ、井戸水で高濃度のPFOSやPFOAが見つかって、それを過去に恒常的に飲んできた方にとっては、大きな不安と問題に直面していることになります。

さらに、全国すべての地点の飲料用井戸水が検査されたわけでもないでしょうからその点も注意が必要だとは思います。

まとめ

今回は、食品安全委員会の第7回有機フッ素化合物(PFAS)ワーキンググループで提出された、(案)評価書 有機フッ素化合物(PFAS)という文書に基づき、許容されるPFAS摂取量について考えてみました。

今後もPFASについてはウオッチしていきたいと思います。

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