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PFAS汚染!どこがどのくらい汚染されているの?基準値との比較!

PFAS汚染に関して記事を少しだけ書きました。

PFASってなに?多摩地域で汚染が問題になっているのはなぜ?どんな性質があるの?PFAS汚染!PFOSとかPFOAってどんな物質?読み方も!

の二つです。

ニュースではPFAS汚染!が取り上げられてはいるものの、実際の汚染は、どこがどのくらい汚染されているのでしょうか?

また、汚染の基準値とかは日本及び世界にはあるのでしょうか?

今回は、この2点について見ていきたいと思います。

本記事は、水の中のPFAS量に関して環境省のPFASに対する総合戦略検討専門家会議PFOS・PFOAに係る水質の目標値等の専門家会議の資料を基に構成しています。

血中のPFAS量に関しては、WEB検索などから情報を得ています。

PFASでどこがどのくらい汚染されているの?

PFAS汚染がどこで起きていて、どのくらい汚染されているのかは、実際に測ってみないと分かりません。

そしてPFAS汚染がどこで起きているかと言った時に、いくつかの要素があります。一般に汚染がどこで起きているかと言われたら、地理的な場所を思うのが普通です。

ですが、汚染の場合は他の要素もあります。どこがと言った時、それは河川がなのか、地下水がなのか水道水なのか、それとも人体なのかという汚染されているものの対象によっても異なります。

では見ていきましょう。

測定は、令和元年度(2019年度)から令和三年度(2021年度)までの結果が示されており、測定物質としては、PFOSとPFOAになっています。

公共用水の汚染状況

公共用水において、特に汚染のひどいと考えられる、100ng/l以上の値を観測した地点の表を以下に示します。報告書では、リットルをわかり易くするためにng/Lの表記が用いられていますが、当記事ではng/lの表記に統一しています。

表において青字になっているものは、その前の行と同一地点でPFOAも観測された地点を示しています。

また、地点名に1,2..のように番号が振ってあるものがありますが、これはもと資料にはなく単に別地点だということを区別するために振ったものです。

他の測定地点でもPFOS、PFOAを検出しているところは多々ありますし、PFOS、PFOAを同時に検出している地点も数多いです。

番号都道府県市町村地点区分地点名川や湖沼名検出物質検出濃度
(ng/l)
測定年度
1千葉県白井市河川名内橋金山落PFOS330.02019
2千葉県柏市湖沼下手賀沼中央手賀沼PFOS173.02019
3神奈川県大和市河川福田一号橋引地川PFOS205.02019
4神奈川県大和市河川山王橋引地川PFOS238.02019
5神奈川県藤沢市河川下土棚大橋引地川PFOS115.02019
6三重県四日市市河川海蔵橋海蔵川PFOA101.02019
7兵庫県神戸市河川玉津大橋明石川PFOA142.22019
8兵庫県神戸市河川上水源取水口明石川PFOA102.62019
9福岡県築上町河川川尻橋宮の川PFOS131.02019
10沖縄県沖縄市河川元川橋川崎川
(天願川)
PFOS260.02019
11沖縄県沖縄市河川元川橋川崎川
(天願川)
PFOA215.02019
12沖縄県沖縄市河川ダクジャク川ダクジャク川PFOS1462.82019
13千葉県千葉市河川源町407番地地先葭川PFOS1002020
14兵庫県神戸市河川水道橋伊川PFOA1902020
15沖縄県沖縄市河川ダクジャク川ダクジャク川PFOS4302020
16神奈川県藤沢市河川富士見橋引地川PFOS1602021
17神奈川県大和市河川福田橋引地川PFOS3202021
18大阪府吹田市河川安威川合流直前正雀川PFOA1302021
19大阪府牧方市河川淀川合流直前穂谷川PFOA1302021
20大阪府牧方市河川新登橋上流船橋川PFOA1102021
21大阪府牧方市河川淀川合流直前天野川PFOA1402021
22兵庫県神戸市河川上水源取水口明石川上流PFOA1602021
23兵庫県神戸市河川玉津大橋明石川上流PFOA2702021
24奈良県河川立石橋寺川PFOA1202021
25奈良県河川富雄川PFOA1202021
PFASに対する総合戦略検討専門家会議資料より抽出

地下水の汚染状況

地下水及び湧水の測定においても、特に汚染のひどいと考えられる、100ng/l以上の値を観測した地点の表を以下に示します。

番号都道府県市町村地点区分地点名川や湖沼名検出物質検出濃度測定年度
1東京都立川市地下水PFOS294.02019
2東京都府中市地下水PFOS259.02019
3東京都調布市地下水PFOS153.02019
4東京都調布市地下水PFOA403.02019
5東京都大田区地下水PFOA131.62019
6大阪府摂津市地下水PFOA1812.02019
7沖縄県宜野湾市湧水チュンナガーPFOS1110.02019
8沖縄県宜野湾市湧水チュンナガーPFOA193.02019
9沖縄県宜野湾市湧水ヒヤカーガーPFOS138.02019
10沖縄県宜野湾市湧水メンダカリヒーガーPFOS770.02019
11沖縄県中頭郡湧水シリーガーPFOS1121.72019
12宮城県名取市地下水PFOS1202020
13宮城県名取市地下水PFOA6702020
14東京都国分寺市地下水PFOS1302020
15神奈川県綾瀬市地下水PFOS13002020
16福井県越前市地下水PFOA1502020
17大阪府摂津市地下水PFOA1602020
18大阪府大阪市地下水1PFOA55002020
19大阪府大阪市地下水2PFOA17002020
20沖縄県うるま市湧水アカザンガーPFOA1302020
21沖縄県中頭郡湧水シリーガーPFOS11002020
22東京都地下水1PFOS1002021
23東京都地下水2PFOA3302021
24東京都地下水3PFOS5802021
25東京都地下水4PFOS2502021
26東京都地下水5PFOS4102021
27東京都地下水6PFOS1802021
28東京都地下水6PFOA2802021
29東京都地下水7PFOS1102021
30東京都地下水8PFOS1002021
31東京都地下水9PFOA2402021
32東京都地下水10PFOS4002021
33山梨県地下水1PFOS、PFOAの合計1302021
34山梨県地下水2PFOS、PFOAの合計1302021
35大阪府茨木市地下水1PFOS1802021
36大阪府茨木市地下水2PFOS3202021
37兵庫県尼崎市地下水PFOS2352021
38兵庫県西宮市地下水1PFOS2502021
39兵庫県西宮市地下水2PFOS2402021
40福岡県北九州市地下水PFOS、PFOAの合計1202021
41大分県大分市地下水1PFOS、PFOAの合計8802021
42大分県大分市地下水2PFOS、PFOAの合計18002021
PFASに対する総合戦略検討専門家会議資料より抽出

結果を見ると高濃度でPFASが検出される場所・地域は特定の地域になっています。

現在ニュース等で問題になっている、多摩地区や沖縄においては、非常にPFAS濃度の高い地下水が検出されています。

これらの地域の地下水を直接生活水や飲料水として用いている場合は、問題であると言えるでしょう。

水道の汚染状況

令和 2 年度(2020年度)に水道事業者等が給水栓水で実施したPFOS 及び PFOA の測定結果の収集及び集計を行った結果が載せられています。

この部分は専門家会議の資料を引用します。

PFASに対する総合戦略検討専門家会議(第2回)資料より引用

この結果は、PFOS及びPFOAと書いてあるので両者の合計値を記載していると考えられます。

この中で、目標値の50ng/lを超えている地点があることは問題視され、既に対策が取られていることが報告書に記載されています。

血中の汚染状況

最近ニュースになっているのが、沖縄県や東京都多摩地区の人々のPFAS濃度です。

これらは、いくつものメディアで報道されていますが、今回はNHKのニュースサイトを紹介しておきましょう。

これらの記事を読むと2021年度の全国調査の何倍とかいう数値が出てくるのですが、今一つ基準となっている調査がわかりません。

なので調べてみました。この全国調査という資料は、

平成 30 年度~令和4年度化学物質の人へのばく露量モニタリング調査(パイロット調査)結果について

という報告書です。

これによれば、PFASの調査は2020年度の調査で行われ、実際の採取が行われたの2021年の1-2月です。

対象者数は80人で北海道・東北ブロック(中小都市)から35人、東海・北陸・近畿ブロック(大都市)から21人、九州・沖縄ブロック(中小都市)から24人となっており、関東・甲信越ブロックは入っていません。

詳細は報告書に譲るとして、80人全体のこの調査の結果は以下のようになっています。単位は、ng/ml

化学物質名平均値標準偏差中央値範囲
PFOS1.40.841.20.48~4.2
PFOA0.860.450.77N.D.~3.4
PFHxS0.220.170.21N.D.~0.81
2020年度血中のPFAS量の調査結果より

どのPFASの濃度まで考えるかによっても全国調査の何倍という値が変わってしまうことに注意しましょう。

とはいえ、この調査の値に比べて、沖縄県や東京都多摩地区の人々の血中PFAS濃度は高いという結果が出ているということです。

土壌の汚染状況

地下水や湧水がPFASで汚染されているということは、当然土壌の汚染も考えられるわけですが、今回の記事では今のところ取り上げないことにします。

情報を整理出来たら加筆予定です。

PFAS汚染に関する基準値や規制値はあるのか?

では、PFAS汚染に対する基準値や規制値はあるのでしょうか?

日本においては、令和2年5月28日に「水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の施行等について(通知)」が出されています。

ここに書かれていることは、人の健康の保護に関する水質の要監視項目にPFOS+PFOAを加えますよということです。
その暫定的な目標値(目標値であって規制値ではない)は、PFOS+PFOAの値が公共用水も地下水も同一の50ng/lとなっています。

またこの通知には、PFOSとPFOAの測定方法も書かれています。

次に海外の規制はどのようになっているでしょう。

世界保健機関(WHO)は2022年9月に暫定ガイドライン値として、PFOS について 100ng/l、PFOA について 100ng/l を提案しています。

アメリカのEPAは、2023年3月に第一種飲料水規制案として、PFOS について4ng/l、PFOA に
ついて4ng/lが提案されました。

カナダにおいては、2023年2月に、飲料水の新たな目標値として総 PFAS について、30ng/lが提案された。

なお従来の飲料水ガイドライン値は、PFOS: 600ng/l、PFOA:200ng/lである。

EUにおいては、「飲料水指令」の改正指令が2021年1月13日に発効された。2年以内に各国法を改訂しなければならない。

全PFAS に対して0.5µg(500ng)/l以下、特定の20種類のPFASの合計0.10µg(100ng)/l以下という基準値になっている。

これらの諸外国のガイドラインの目標値や規制値と日本の目標値は一概に比較はできませんが、日本においても、極端に高い濃度の検出地点があることは問題と言えます。

まとめ

PFAS汚染!どこがどのくらい汚染されているのかについて、調査をしてみました。

日本の水質の要監視項目のPFOS+PFOAにおける暫定的な目標値は、公共用水も地下水も同一の50ng/lです。

一方この値を大きく超過している地点は、全国においても特定の地域に集中していることがわかります。

海外においてもPFASの飲料水に対する目標値は、近年急速に低い値が定められている状況にあることがわかりました。

今後、さらに調べてい見たいと思います。

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