NHKのクロースアップ現代や東京新聞などの報道で、PFAS汚染が問題になっています。
大体、PFASって聞いても何のことだかわからないですよね。
PFASが何かに関する記事は、「PFASってなに?多摩地域で汚染が問題になっているのはなぜ?どんな性質があるの?」をご覧ください。
それと記事を見ているとPFASだけではなく、PFOSとPFOAというこれまた何か分からない単語が出てきます。
そこで今回は、PFAS、PFOS、PFOAがどんな物質であるのか、そしてどのように読むのかを解説していきます。
PFASとはどんな物質か?
この物質については「PFASってなに?多摩地域で汚染が問題になっているのはなぜ?どんな性質があるの?」に書きましたが、一応こちらでも解説しておきます。
性質や毒性などについては、上の記事をご覧ください。
PFASは、Per- and polyFluoroAlkyl Substances(略で使われている文字は大文字にしてあります、以下同様です)の略です。通常の表記は、Per- and polyfluoroalkyl substancesです。
これだけでは何のことがわかりませんね。
日本語に直訳すると、ペルもしくはポリフルオロアルキル物質(化合物)となります。
赤い太文字の所を取って省略しPFASと呼ばれます。
読み方は、ピーファスと呼ぶのが一般的です。
PFASは、日本語の訳でペルもしくはポリフルオロアルキル物質(化合物)となっているように、特定の化学物質を指すわけではなく、この表現に属する物質の総称を言います。
単純にってしまうと、有機フッ素化合物の総称です。
もう少し詳細に言うと、化合物中にCF2もしくはCF3という構造を持つ化合物の総称です。
ただし、詳細な定義に関しては、団体によって決められていたり、法的な規制によって異なったりするので、細々した議論の際には注意が必要です。
PFASは、考えようによっては1万を超える物質の総称になります。
PFOSとはどんな物質なのか
PFOSは、PerFluoroOctaneSulfonate の略で、通常は、perfluorooctanesulfonic acid(ペルフルオロオクタンスルホン酸)と呼ばれます。
PFOSの呼び方は、ピーフォスと読みます。
思い出せる方は、高校の化学を思い出してほしいのですが、オクタンは、炭素数8個の炭化水素なので、POFSはこんな形の構造式をしています。
化学が不得意だった方は、これを見ただけで頭痛がするかもしれませんね。
Fはフッ素、Oは酸素、Hは水素、Sは硫黄の元素記号です。図で、Fから出ている線の先が集まっているところには炭素(C)があるのですが省略されています。
ですので、化学式で書くと C8HF17O3S となります。
この物質は、化合物中にCF2もCF3も持っているので、PFASの一つということになります。
この物質は、既に日本では、研究用途など以外では製造も輸入も禁止されています。
PFOAとはどんな物質なのか
PFOAは、PerFluoroOctanoic Acid の略で、通常はPerfluorooctanoic acid(ペルフルオロオクタン酸)と呼ばれます。
PFOAの呼び方は、ピーフォアと読みます。
PFOAの構造式は、こんな感じです。
えーと、ちょっとだけ化学がわかる人向けに解説すると、PFOSのスルホン酸の部分がカルボン酸に変わっただけですね。
実はこの物質、PFOSの代替材料としても一部使われてきました。
この物質も、化合物中にCF2もCF3も持っているので、やはりPFASの一つということになります。
この物質も、既に日本では、研究用途など以外では製造も輸入も禁止されています。
まとめ
本記事では、PFAS汚染のニュースに出てくる、PFAS、PFOS、PFOAについて解説しました。
PFASは、Per- and polyfluoroalkyl substancesの略称で、読み方はピーファス、有機フッ素化合物の総称(定義はいろいろ微妙に違う)
PFOSは、perfluorooctanesulfonic acid(ペルフルオロオクタンスルホン酸)の略称で、読み方はピーフォス
PFOAは、Perfluorooctanoic acid(ペルフルオロオクタン酸)の略称で読み方はピーフォア
です。今後はPFAS汚染の記事も書こうと思っています。
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