最近、自治体によるPFASの測定が行われ、各地で国の水質目標値を超える値が検出されています。
昨年の秋以降も、PFASに関するニュースは多く流れています。
今まで、PFASについては浄水器による除去などの記事を書いてきましたが、実際に具体的にどこで、どうゆうことが起きているのか調べてみることにしました。
ただし、今回は概観するだけで、個々の事象についての詳しい内容は今後記事にするつもりです。
ニュースによる最近のPFAS水質基準の目標値越えの場所
岐阜県各務原市 水道水
岐阜県各務原市の三井水源地(みいすいげんち)から供給される水道水に国の水質目標値を超えるPFAS(PFOSおよびPFOA)含まれていることが2023年7月28日に記者会見で示されました。
このPFASが検出されたのは、当初は2020年11月であったことを考えるとかなり遅い対応と言わざるを得なません。
現在、活性炭による除去を行い、水道水中のPFASは国の目標値は下回るようになりました。しかしながら、かなり長い間高濃度のPFASを摂取した方がいることになります。
その方々の血液検査のニュースはこちらにありますが、アメリカの学術機関が発がん性など健康リスクがあるとするPFASの血中濃度を超えたのは何と100人中73人です。
ただ、現時点で健康被害は報告されていません。
各務原市のHPページにはPFASの今までの情報をまとめたページが作成されています。これからも更新されるでしょう。
何せ問題が明確化したのが、昨年の夏で対応自体は秋以降ですからね。
各務原市には、航空自衛隊の岐阜基地があります。泡消火器の使用履歴があれば汚染源としての可能性も否定できません。
東京都町田市原町田1の市営駐車場
東京都町田市原町田1の市営駐車場において、2023年12月3日未明に不審者が消火設備を作動させ、PFASを含む泡消火剤が約40分間噴出ことによって、雨水用の排水溝から近くの境川に流れ込みました。
さらに管理業者が駐車場を洗った水を同じ排水溝に流しており、更なる汚染になっています。
市は8日に境川の3地点で水質を検査し、PFASの一種PFOSとPFOAの濃度の合計値を調べた。河川管理の目安である暫定指針値(上では目標値と表現)(1リットル当たり50ナノグラム)に対し、同市鶴間2の鶴間一号橋付近は1リットル当たり810ナノグラム、同市原町田1の境橋下流付近は同190ナノグラムが検出されました。
市は19日に、水質検査の結果、基準の暫定指針値を最大で15倍上回ったと発表しました。
この場合は、汚染源が泡消火器であることがわかっており、境川までつながる排水管などは18日に洗浄され、洗った排水は回収されました。
ただ、流出してしまったものの回収は困難です。
このニュースは、こちら(東京新聞)に書かれています。
静岡県静岡市清水区「三井・ケマーズフロロプロダクツ」周辺
静岡市清水区の「三井・ケマーズフロロプロダクツ」の周辺では、井戸水から高濃度のPFASが検出され問題となっています。
最初の発表は、2023年11月のようです。
工場に近い三保地区だけでなく、そこから少し離れた場所でも、目標値より高い濃度で検出されたことから、特定された地区の井戸水を飲まないよう指導が行われています。
三井・ケマーズフロロプロダクツは、フッ素樹脂などを製造する工場であることから、PFASに関する懸念が高まっていました。
現在、会社、市、自治会による三者の連絡会が設立されています。
静岡市のHPには、PFAS調査の結果及び今後の対応についてというページが立ち上がっています。
岡山県吉備中央町の浄水場
岡山県吉備中央町の浄水場から国の暫定的な目標値の28倍という高濃度のPFASが検出されました。
発表があったのは、2023年10月17日です。
続報として、浄水場の水源近くの資材置き場(同町上田東)に多数置かれていた大型梱包(こんぽう)袋「フレコンバッグ」の一つから1リットル当たり450万ナノグラム(ナノは10億分の1)の濃度が確認されたことが21日、関係者への取材で分かったということです。
ここは、活性炭の再利用を手がける企業が利用しており活性炭に吸着したPFASが流れ出た可能性が高い。
PFAS汚染源は全国にある
以上見てきたように、PFASによる汚染は、全国各地で見られています。最近ようやく一般に公表され問題化しているところも多いです。
PFASは、どの様なところに存在するのでしょうか?
今まで私の得てきた知識の範囲では以下のような場所に存在します。
- 有機フッ素系の原材料や樹脂を製造している事業場
まあ、これはある意味PFASを作っているともいえるので当然です。 - 泡消火器
一般に水では不十分な火災、油火災(駐車場や危険物を取り扱う場所)への使用が想定されている。
このため、米軍や自衛隊のように燃料を大量に使うところには必ず設置されています。 - PFASを除去するための活性炭
活性炭は再生して使用されるが、処置が悪いと濃縮されているため汚染源になる。 - 電池、半導体、電気電子、医療、インフラなど各種産業分野
PFASに該当する様々な化合物や樹脂が産業をさせるために使われます。これらは分野ごとに使われているものも違いますし、樹脂の形になっているものも多いです。
特に上の三つの場合が、大きな汚染につながる可能性があります。実際今回見てきた事例は原因がこれらの物の可能性が高い(断定できるものもある)わけです。
今後もPFAS汚染は話題になるでしょう
今回は、2023年後半以降に顕在化したPFAS汚染について、調べてみました。
しかしながら、まだこれだけで終わるとも思えません。上記したように汚染源はまだあると考えられるからです。
今後も注視していきたいと思います。
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