最近、東京新聞では、多摩地域でのPFAS汚染の問題が継続的に取り上げられています。この記事を書いている時点での最新記事はこちら「PFAS血液検査、6割以上が「健康被害の恐れ」の指標超え 横田基地東側で高い傾向」。
でも、PFASって聞きなれない言葉ですよね?
何やらフッ素系の化合物らしいのですが、色々調べてみると多摩地域だけの問題では無いようです。
そこで今回は、この聞きなれないPFASという物質について、どんな性質があり、なぜ多摩地域が問題になっているのか調べてみました。
PFASはどんな物質なのか?
PFASは、Per- and polyFluoroAlkyl Substancesの略です。これだけでは何のことがわかりません。
日本語に直訳すると、ペルもしくはポリフルオロアルキル物質(化合物)となります。
これでも何だかよくわかりませんね(^^;。「大体中学校から科学や化学は嫌いだったんだよ!」という方も多いのではないでしょうか?
単純にってしまうと、有機フッ素化合物の総称です。
もう少し詳細に言うと、化合物中にCF2もしくはCF3という構造を持つ化合物の総称です。
このような構造を持つ化合物は、1万種以上あると言われています。そしてそれらすべてを総称して言う場合の言葉がPFASです。
東京新聞でもQ&AでそもそもPFASって何なの? 健康にどんな影響があるの?という記事を出しています。
PFASはどんな性質を持っているのか
ではPFASは、どんな性質を持っているのでしょう。1万種類もあるのですから個々の化合物の性質は微妙に違うはずですが、PFASは大きく以下の性質を持っています。
PFASは非常に分解されにくい
PFASは、非常に分解されにくい性質を持っており、一度作られていしまうと自然界や体内に存在し続けます。「Forever Chemicals(永久に残る化学物質)」とも呼ばれています。
PFASは体の中に蓄積される
PFASは、非常に分解されにくいとともに、体内から排出することも難しい物質です。この性質は生物全般に言えるので、生体蓄積性と呼ばれています。
従って、飲料水などを通して連続的に取り込まれてしまうと体内におけるPFAS濃度は増加していくことになります。
PFASは毒性がある
PFASは、もちろん沢山の種類の化合物があるのですべての性質がわかっているわけではありません。
しかしながら、毒性がある化合物は知られています。その毒性は発がん性だったり、生殖毒性だったり、体内のコレステロールへの影響だったり様々です。
PFASが多摩地区での汚染が問題になっているのはなぜ?
では、最近問題になっている多摩地区での汚染はどういううものなのでしょうか?
これは、東京都多摩地域の水道水に使われていた井戸水からPFASが高い濃度で検出されたことに端を発しています。
このPFASは泡消火剤につかわれており、全国の米軍基地に近い地域でその濃度が高くなっているという結果が得られています。
多摩地区の近くには横田基地があり、その影響が指定されてはいますが正式な因果関係は、日米間の問題などが立ちはだかり不明のままです。
これに関して東京新聞は、発がん性疑い「PFAS」多摩地域で大規模血液検査、PFAS血液検査、6割以上が「健康被害の恐れ」の指標超えという記事でこの問題を追いかけています。
PFASについて国もようやく重い腰をあげる?
このような問題や世界的なPFASに関する規制や問題的に対して、国もようやく重い腰を上げ始めています。
環境省では今年に入ってようやく、PFASに対する総合戦略検討専門家会議を立ち上げこの問題に対して議論に入りました。すでに2回会合が行われています。
まとめ
今回は、多摩地域で汚染が問題になっているPFASという聞きなれない物質について調べてみました。
PFASはフッ素系の化合物で、分解されにくく、体に蓄積され、毒性があることがわかりました。既に、多摩地区では危険なレベルに達するほどの汚染があるようです。
PFASについては、他にも色々調べてみようと思います。
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