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PFAS、PFOS、PFOAは何が違う?その懸念は何?

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最近、PFAS汚染のニュースを見ない日がないほど良くニュースになっています。

ですが、PFAS汚染のニュースに、PFOS、PFOAという用語も必ずで言っていいほど出てきます。

PFASとPFOS、PFOAは何が違うのでしょうか?

この違いに関する記事は、PFAS汚染!PFOSとかPFOAってどんな物質?読み方も!に解説しているのですが、今回は今後のためにもう少し詳しく説明しておきましょう。

PFASの性質に関しては、PFASってなに?多摩地域で汚染が問題になっているのはなぜ?どんな性質があるの?をご覧ください。

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PFAS、PFOS、PFOAは何が違うのか?

PFAS、PFOS、PFOAはいずれもアルファベット4文字の似たような略号ですが、その意味するところは異なります。

PFAS、PFOS、PFOAのうち、PFOSとPFOAが一つの物質を指すのに対し、PFASはある特徴を持つ化合物全体を指すというのがまず大きな違いです。

従って、PFASは一つの物質を表すのではなく、何千もの物質をひとまとめにして呼ぶ場合の総称です。

PFOSとPFASは、それぞれPFASの中に含まれる化合物の一つと言うことになります。

PFOSとはどういう化合物か?

PFOSは、PerFluoroOctaneSulfonate の略で、通常は、perfluorooctanesulfonic acid(ペルフルオロオクタンスルホン酸)と呼ばれます。

PFOSの呼び方は、ピーフォスと読みます。

構造式を書くと下図のようです(図1)。

図1 PFOSの構造式

化学式で書くとC8HF17O3Sとなります

ペルフルオロとはどういうものかというのは、下のPFASの説明で解説します。

その次のオクタンとスルホン酸とは何を意味するのか説明します。

スルホン酸は、-SO3Hという部分の構造をそう言います。こればかりは名前なのでそうなのだというしかありません。

その前のオクタンなのですが、化学においては”1つの”とか”2つの”と言うのを示す言葉は決まっています。それぞれ、

1:mono(モノ)
2:di(ジ)
3:tri(トリ)
4:tetra(テトラ)
5:penta(ペンタ)
6:hexa(ヘキサ)
7:hepta(ヘプタ)
8:octa(オクタ)
9:nona(ノナ)

となっています。

ですので、オクタンは炭素数が8個のチェーン型の炭化水素のことを指します。なので、PFOSの和訳の最後の方はオクタンスルホン酸となります。

PFOAとはどういう化合物か?

PFOAは、PerFluoroOctanoic Acid の略で、通常はPerfluorooctanoic acid(ペルフルオロオクタン酸)と呼ばれます。

PFOAの呼び方は、ピーフォアと読みます。

PFOAの構造式は、こんな感じです(図2)。

図2 PFOAの構造式

化学式で書くとC8HF15O2となります。

PFOAPFOSの最初の部分は、ペルフルオロオクタンで同じです。ではどこが違うかと言うと、PFOSでは-SO3H(スルホン酸)がくっついていた最後の炭素にであった部分が、その炭素を用いた-COOH(カルボン酸)になっているという違いです。

PFASとはどういう物質か?

PFASは、Per- and polyFluoroAlkyl Substances(略で使われている文字は大文字にしてあります、以下同様です)の略です。通常の表記は、Per- and polyfluoroalkyl substancesです。

赤い太文字の所を取って省略しPFASと呼ばれます。

これだけでは何のことがわかりませんね。

日本語に直訳すると、ペルもしくはポリフルオロアルキル物質(化合物)となります。

読み方は、ピーファスと呼ぶのが一般的です。

これでもどのような物質なのか良く解りません。これから、化学における用語説明をして、ピーファスはどんなものなのか順番に説明していきます。

  1. 最初のPer(ペル)は、”全ての”といったような意味です。
  2. poly(ポリ)は、”複数の”といったような意味です。
  3. fluoro(フルオロ)は、”フッ素で置換した、もしくはフッ素化された”といったような意味です。
  4. alkyl(アルキル)、”チェーン型の炭化水素の”といったような意味です。
  5. substancesは、文字通り物質(化合物)の意味です。

なので、PFASは、全てをもしくは複数のフッ素で置換したチェーン型の炭化水素を持つ化合物となります。

実際には、もっと細かい定義があったり、法規制によって定義が異なったりということがあるのですが、その辺りは専門家の領域だと思います。

ですので、PFOSPFOAは、フッ素で置換されたチェーン型の炭化水素を持つので、PFASの一種ということになります。しかもペルフルオロと書かれていますから、チェーン型の炭化水素のすべての水素をフッ素で置き換えた構造の化合物になっています。

PFOSとPFOAは何が懸念されているのか?

それでは、PFOSとPFOAが検出されるとニュースになったり皆が騒ぐ原因は何でしょうか?

一つ目は、有毒性が認められているということです。

厚生労働省の職場のあんぜんサイトで検索すると

PFOSとPFOAは、発がん性、生殖毒性、特定標的臓器毒性などいくつかの毒性があると区分されています。

二つ目は、自然界ではほとんど分解されないため、人間や動物の体内に蓄積、残留してしまうことです。そのため、「Forever Chemicals(永久に残る化学物質)」とも呼ばれますが、既に野生動物中からも検出されており、環境汚染が心配されています。

三つ目は、既に条約や法律で禁止されていることです。残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)では、PFOSとPFOAは廃絶もしくは制限される物質になっています。日本においてもこれを受けて既に基本的に製造輸入が禁止されています。

四つ目は、海外においてより厳しい規制が実施されている、もしくはされようとしているということです。特に飲料水や食物に関連した部分において厳しい規制が行われています。

日本においては、水質管理目標設定項目に目標値(暫定)が2002年に決められており、PFOS+PFOAの合計値として50ng/Lとなっています。

しかしながら、これは目標値であって規制値ではありません。

一方PFASの有害性はどうかと言うと、これは判明していないという方が正しいでしょう。何千種類もの物質の総称に対して、有害性がどうとか言っても意味がないように思えます。

しかしながら、懸念を持っている人がいてもおかしくありません。実際欧米ではPFAS全体に対して規制をかけようという動きが広まっています。

まとめ

PFAS汚染のニュースでよく見る、PFAS、PFOS、PFOAは何が違うのか?

何の略なのかを説明して違いを説明しました。

また、どういう、懸念があるのかを説明しました。

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