ぶどうは、その甘さと豊かな風味で世界中の人々に愛されています。
しかし、ぶどうの種を取り除く手間や皮の食感が苦手な人もいるかもしれません。
そこで注目したいのが、皮ごと食べられるぶどうです。
これらのぶどうは、皮が薄く、種がないか、または種が食べられるように育てられています。
この記事では、皮ごと食べられるぶどうの種類、色、種の有無、そして国内産と海外産の違いについて詳しく解説します。
ぶどうの種類で皮ごと食べられるものは?
以下に皮ごと食べられるぶどうの種類の主なものをあげます。
シャインマスカット
シャインマスカットは、皮ごと食べられるぶどうの代表例で最近栽培量が非常に増えています。
2006年(平成18年)に品種登録された比較的新しい品種です。
果皮は緑黄色で、果粒の重さは10~15gくらい。糖度は18~20度ほどと高く、酸味は控えめです。しまりのある果肉は果汁が豊富で、マスカットの芳香を持ちます。
また、果皮が薄くてやわらかく、皮ごと食べられるのも特徴の1つです。パリッとした歯ごたえで、ジューシーで上品な甘みと高貴な香りが楽しめます。
生産量は長野県と山梨県で全国の約半分を占めます。
ナガノパープル
ナガノパープルは、その名の通り長野県のオリジナル品種で、「巨峰」と「リザマート」の交配により誕生した大粒の黒ぶどうです。
品種登録は、2004年(平成16年)です。
ナガノパープルは、糖度が18~20度くらいと甘みが強くて酸味はおだやかです。渋みはなく、果汁たっぷりで香りもよく、豊かな風味を楽しめます。
皮離れは良くなく、皮ごと食べられます。
生産は、長野県でのみ行われていると言ってよいでしょう。
瀬戸ジャイアンツ
瀬戸ジャイアンツは、岡山県で誕生した「グザルカラー」と「ネオ・マスカット」をの交配により誕生したぶどうです。色は、マスカット色です。
品種登録は、1989年(平成元年)に行われています。
桃太郎にゆかりのある岡山県で生まれ、粒の形が桃に似ていることから「桃太郎ぶどう」(登録商標で使える人は限られている)とも呼ばれます。
サイズは1房500~800gくらいで、1粒は15~20gほどあります。
皮がとても薄く、皮ごと食べられるのも特徴です。
生産地は、岡山県が70%を占めています。
甲斐路
甲斐路は、「フレームトーケー」と「ネオマスカット」の交配により山梨県で誕生した品種で、1977年(昭和52年)に品種登録されています。
果皮は明るい紅色で、甘みは強くほどよい酸味もあります。
皮が薄いので皮ごと食べることも可能ですが、シャインマスカットほど皮が気にならないかというとそうでもありません。
一房は400~600gになり、粒は10g前後で、日持ちが良いのも特徴です。
甲斐路の生産地は、山梨県が全国の8割以上を占めています。
マニキュアフィンガー
マニキュアフィンガーは、「ユニコーン」と「バラディ2号」の交配により山梨県で誕生した品種です。
果粒は長楕円形で、皮の色が根元から先端にかけて、黄色から赤紫色に変化しています。
このことから、マニキュアフィンガーとの名が付けられました。
果皮が薄くて皮ごと食べられます。
一房は400~600gになり、粒のサイズは10~13g程度になります。
果粒の形が長楕円形で似ているものに、レディーフィンガー、ゴールドフィンガーという種類もあります。
これらの種類は緑色の品種ですが、同様に果皮が薄く皮ごと食べられます。
マニュキュアフィンガーの主な生産地は、山梨県と長野県です。
マイハート
マイハートは、「ルーベルマスカット」と「甲斐路」の交配により山梨県で誕生したぶどうです。
その名の通り、果粒をカットした際の断面がハート型をしています。
果皮が赤く大粒で皮が薄いのが特徴で、皮はむきにくいため、そのまま食べるのが一般的です。
糖度も20度程度あり酸味も少ないのが特徴です。
レッドグローブ
レッドグローブは、輸入ぶどうとしてよく見かける赤く比較的粒の大きなぶどうです。
甘味が強く、種ありですが皮ごと食べられます。種は普通は出すでしょうから多少食べるのに面倒かもしれません。
輸入先は、アメリカ、チリ、オーストラリアなどで、北半球からも南半球からも輸入されているため、1年のうち数か月を除いて食べることが可能です。
トンプソン・シードレス
トンプソン・シードレスは、黄緑色の輸入ぶどうでチリ、アメリカ、オーストラリアからのものが多いです。
甘味が強くて酸味は少なく、粒はそれほど大きくないですが、種なしで皮ごと食べることができます。
こちらも長い期間スーパーなどで見ることができます。
セーブル
セーブルは、黒い色の輸入ぶどうです。こちらも、チリなどから輸入されているようです。
セーブルは皮が巨峰のような黒色で、粒は6g前後と中粒のぶどうです。
皮ごと食べられる種なしぶどうで、濃厚な甘味を持ちます。
皮は、シャインマスカットのように薄いわけではありませんが、口に残るような違和感もなく食べられます。
皮ごと食べられるぶどうの種類を色ごとに分類
いままで書いたように皮ごと食べられるぶどうは、沢山の種類があります。
ぶどうは、その皮の色によって主に3種類に分けられます。赤系統の色のもの、黒色のもの、緑(白)色のものです。
全ての色のぶどうに皮ごと食べられるものがありますので、表にしてみました。
皮の色 | ぶどうの種類 |
赤 | 甲斐路、マニキュアフィンガー、マイハート、レッドグローブ |
黒 | ナガノパープル、セーブル |
緑(白) | シャインマスカット、瀬戸ジャイアンツ、トンプソン・シードレス |
このほかにも、主に緑(白)色のものは、ロザリオ・ビアンコ、マスカット・オブ・アレキサンドリアなど皮ごと食べられるぶどうが多いです。
皮ごと食べられるぶどうの種類、国内産、海外産の違い
皮ごと食べられるぶどうには、通常手に入るものとして国内産と海外産のものがあります。
これらを表にして区別してみました。
生産地 | ぶどうの種類 |
国内産 | 甲斐路、マニキュアフィンガー、マイハート、ナガノパープル、 シャインマスカット、瀬戸ジャイアンツ |
海外産 | レッドグローブ、セーブル、トンプソン・シードレス |
国内産のぶどうは、品質が高く甘さや香りが非常に良いものが多いです。特に皮ごと食べられるぶどうは、高級品種が多く値段も比較的高めです。
そして、収穫できる時期は品種によって異なりますが、店頭に並ぶのは夏から秋にかけての3‐4カ月と言ったところでしょう。
一方、海外産のぶどうで輸入されているものも甘みの強いものが多く、さらに比較的手軽な値段で手に入ります。
しかし、日本産のように大粒で品質が良いかと言えば、中粒のものが多く、収穫から時間がたっていることもあり最高品質とは言い難いかもしれません。
ただ、生産国がアメリカの他、チリやオーストラリアなどの南半球であるものも多く、1年のうち10カ月ほども販売されています。
海外産のぶどうに対しては、その農薬に対する心配をされる方がいるかもしれません。
海外産のぶどうには、オレンジやグレープフルーツに使用されているような防カビ剤は、使用されていません。
また海外では、ぶどうは皮ごと食べるのが普通のため、残留農薬については厳しい基準が設けられています。
しかしながら、過去に残留農薬の基準値オーバーの事例が全くないというわけではありませんので、十分に洗うことをおすすめします。
まとめ
この記事では、皮ごと食べられるぶどうの種類、色、種の有無、そして国内産と海外産の違いについて詳しく解説しました。
ぶどうはその甘さと豊富な栄養価で世界中で愛されている果物であり、特に皮ごと食べられるぶどうはその手軽さと独特の食感から多くの人々に支持されています。
特に日本のものは大粒で甘く高品質です。夏の時期は、おいしいぶどうをたのしみましょう。
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